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結論:地方の仕事は「紹介」が多い。でも、コネがなくても道はある
正直に言うと、私が地方で仕事を見つけたのは「親の紹介」でした。地方の仕事は、求人サイトに出る前に、知り合いのつながりで決まってしまうことが本当に多いです。
でも、これを読んでいるあなたが、移住先に頼れるコネを持っているとは限りませんよね。安心してください。コネがない人にとっては、地方の求人を扱う転職サービスやハローワークが、その「紹介」の役割を代わりに果たしてくれます。
私はホテルや製造業で20年ほど総務をしたあと、北海道へUターン移住し、地域おこし協力隊も経験しました。この記事では、協力隊に頼らず地方移住して働くための、現実的な仕事の探し方を整理します。(「地域おこし協力隊」で移住する道については、こちらの記事で本音を書いています。)
最初に決めること:仕事が先か、移住が先か
探し方の話に入る前に、ここを決めないと何も進みません。移住相談でいちばん多い迷いでもあります。
結論:よほどの事情がなければ「仕事が先」
身も蓋もないのですが、仕事を決めてから移住するほうが圧倒的に安全です。理由は単純で、地方は求人の絶対数が少なく、「住んでから探せばいい」が通用しにくいからです。都会なら1ヶ月で決まる条件でも、地方では半年見つからないことがあります。
しかも移住直後は初期費用が重なる時期です。収入ゼロで貯金が減っていく状態は、精神的にかなり効きます。焦って条件の悪い職場に飛びつき、そこで人間関係につまずいて再び辞める——これが移住失敗のいちばんよくある型です。
それでも「移住が先」になるケース
とはいえ、先に移る合理性がある人もいます。
- 配偶者の転勤・実家の事情など、移住時期が動かせない場合
- 現地に行かないと採用されない仕事を狙う場合(面接が対面のみ、地元の人を優先する職場など)
- リモートで今の仕事を継続できる場合(そもそも探す必要がない)
この場合は、最低でも半年〜1年分の生活費を持って移ってください。「なんとかなる」で移って、なんとかならなかった人を何人も見ています。
地方で仕事を探す、6つのルート
入口は1つに絞らないでください。地方はルートごとに載っている求人がまったく違うので、複数を並行するのが基本です。
① 知人・親族の紹介(強いけれど、運に左右される)
地方では今でも「紹介」が一番強いルートです。私自身もこれでした。ただしこれは”たまたまコネがあれば”の話。誰にでも使える方法ではありません。
ひとつ補足すると、移住してから人間関係の中で発生する紹介もあります。地域の集まりに顔を出しているうちに「うちで働かないか」と声がかかる、というのは田舎では珍しくない。ただしこれは移住後の話なので、移住前の計画には組み込めません。
② ハローワーク(地方では想像以上に本命)
都会の感覚だと軽視されがちですが、地方ではハローワークが最大の求人プールです。地元の中小企業や役場関係は、採用コストをかけないぶんハローワークにしか求人を出していないことが本当に多い。転職サイトをいくら見ても出てこない求人が、ここにはあります。
しかも移住前でも、住んでいる地域のハローワークから全国の求人を検索・相談できます。オンラインでも求人検索はできるので、移住先の求人動向を知る手段として、早い段階で見ておく価値があります。
③ 転職エージェント・求人サイト(コネがない人の現実解)
コネがないなら、ここが本命のひとつです。地方やUIターンの求人を扱う転職エージェントに登録すれば、担当者が「いまその地域にある求人」を紹介してくれます。いわば、コネの代わりです。登録は無料で、まず”どんな仕事があるか”を見るだけでも価値があります。
ただし正直な限界も書いておきます。エージェントが強いのは地方都市の、ある程度の規模の企業です。人口数千人の町村部の求人は、ほとんど持っていません。「県庁所在地や中核市に住んで、そこから通う」なら非常に有効ですが、「山あいの小さな集落で働きたい」ならハローワークと自治体窓口のほうが確実です。自分が狙う地域の規模で、使う道具を変えてください。
まず「今ある地方の求人」を見てみる
コネがなくても、地方・UIターンの求人を扱う転職エージェントに登録すれば、その地域の仕事を無料で紹介してもらえます。移住の現実味が一気に増します。
地方の求人を無料で見てみる →④ 自治体の移住支援窓口・移住相談会
多くの自治体が移住相談の窓口を設けていて、仕事と住まいをセットで相談できることもあります。「(移住したい地域名) 移住 相談」で検索してみてください。東京・大阪にある移住相談センターや、オンラインの移住フェアも使えます。
ここの真価は求人そのものより情報の質です。「あの会社は人が続かない」「あそこは今ちょうど人を探している」といった、求人票に出ない話が聞けることがあります。ただし担当者の当たり外れが大きいのも事実です。
⑤ 都道府県のマッチングサイト(移住支援金と直結)
見落とされがちですが重要です。各都道府県が運営する移住・就業のマッチングサイトがあり、ここに掲載された求人に就職することが、移住支援金(世帯最大100万円)の受給条件になっているケースが多い。
つまり自分で見つけた求人に就職すると、100万円をもらい損ねる可能性があるということです。支援金の対象になりうる人(主に東京23区在住・通勤者)は、仕事を決める前に必ず確認してください。くわしくは地方移住にかかるお金のリアルに書きました。
⑥ 今の仕事をリモートで持っていく
そもそも探さない、という選択肢です。地方は求人が少ないという構造問題を、根本から回避できます。収入も落ちません。可能ならこれが最強です。くわしくは地方移住×リモート・在宅で稼ぐにまとめています。
地方の求人票、ここを読み違えないでください
総務で採用にも関わってきた立場から、地方の求人票で誤解しやすいポイントを挙げます。
- 「マイカー通勤可」=車がないと通えない。優遇条件ではなく、必須条件の言い換えです
- 給与レンジの上限は、まず出ません。「月18万〜28万円」なら、未経験は18万スタートだと思ってください
- 「賞与:業績による」は、出ない年があるという意味です。年収を賞与込みで計算しないこと
- 「アットホームな職場」は、距離感が近いということ。人間関係が濃いのは地方の長所でも短所でもあります
- 通勤時間は距離で判断しない。冬季は雪で倍かかる地域があります。片道30kmは雪国では現実的に厳しい
- 社会保険の有無を必ず確認。小規模事業所では未整備のことがあります
地方で需要がある職種/苦しい職種
需要があり、移住と相性がいい
- 医療・介護・福祉:地方ほど高齢化が進んでおり、全国どこでも需要がある。資格があるなら最強のパスポートです
- 建設・土木・設備:人手不足が慢性的。インフラ維持は地方に必ず仕事がある領域
- 運送・物流:同上。免許が活きる
- 製造業:地方の工業団地は雇用の柱。私も製造業で働きました
- 総務・経理・事務:業界を問わず需要がある汎用スキル。→ 地方で総務・事務の仕事を見つけるには
- 観光・宿泊・飲食:観光地なら求人は多い。ただし繁閑差が激しい
正直、地方では苦しい
- 企画・マーケティング・広報:そもそもポジションが存在しない企業がほとんど
- 大企業型のキャリア:管理職ポストも、キャリアの階段自体も少ない
- 専門職・研究職:受け皿が限られる
この領域の人は、地方で同じ仕事を探すよりリモートで持っていくほうが現実的です。無理に現地で探すと、キャリアを大きく落とすことになります。
「地方は給料が安い」は本当か?
よく「地方は給料が安い」と言われます。額面だけ見れば、たしかに都会より下がることが多いです。
でも、私の実感はちょっと違います。都会は給料が高くても、その分が家賃や物価で飛んでいきます。地方は額面が下がる代わりに、家賃も駐車場代も安い。結局、手元に残る”実感”は、そんなに変わらないというのが正直なところです。
ただし差し引きが成立しない項目もあります。車の維持費(世帯で2台になりがち)と、寒冷地の暖房費です。ここは都会にはなかった純増のコストなので、家賃が下がった分をここで持っていかれる感覚は覚えておいてください。(→ 地方移住と車のリアル)
「額面の数字」ではなく「手取りと生活コストの差し引き」で考えると、地方の仕事は思っているほど不利ではありません。
おまけ:お金に表れない部分もあります。ご近所と仲良くなると、野菜や山菜をもらえたりする。地味ですが、こういう”見えない豊かさ”も地方にはあります(もちろん、期待しすぎは禁物ですが)。
総務・事務など「どこでも需要がある職種」は移住と相性がいい
もしあなたが総務・経理・事務などのバックオフィス経験を持っているなら、それは移住の強い武器になります。こうした職種は業界を問わず需要があるからです。私自身、総務という仕事で業界をまたいで働いてきました。汎用的なスキルは、地方でも仕事を見つけやすくしてくれます。
とくに地方の中小企業では、総務・経理・労務・庶務を一人で兼務する「何でも屋」が求められます。都会で分業された一部分だけをやってきた人より、広く浅く回せる人のほうが重宝される——ここは都会と評価軸が逆転するポイントです。
移住×転職でよくある失敗
- 「住んでから探せばいい」で詰む:求人が出るまで待つ時間を、貯金が耐えられない
- 給料だけで選ぶ:地方は職場が狭い世界です。人間関係が合わないと逃げ場がなく、しかも辞めた事実が地域に伝わります
- 通勤距離を甘く見る:冬の峠道を毎日往復する生活は、想像よりはるかに消耗します
- 移住支援金の条件を確認せず就職する:あとから対象外と判明しても取り返せません
- 入口を1つしか使わない:エージェントだけ/ハローワークだけでは、その地域の求人の半分も見えていません
まず、何から始める?
コネがないなら、順番はこうです。
- 移住先の候補地域を、ざっくり絞る(県レベルでよい)
- ハローワークの求人検索と転職エージェント、両方でその地域の求人を眺める。ここで「どんな仕事が、いくらであるのか」の相場観をつかむ
- 移住支援金の対象になるか確認する(対象ならマッチングサイト経由が必須)
- 自治体の移住窓口に相談する。仕事と住まいをセットで聞く
- 応募する。ここまで来れば、移住は夢ではなく計画になっています
大事なのは2番を先にやることです。求人を見て初めて、移住が具体的な計画に変わります。動き出さないと、移住はいつまでも「いつかの夢」のままです。
よくある質問
Q. 未経験の職種に地方で転職できますか?
できます。むしろ地方は人手不足なので、都会より未経験に寛容な職場は多いです。ただし給与は未経験スタートの水準になります。→ 田舎・地方で正社員転職はできる?
Q. 40代・50代でも地方で仕事は見つかりますか?
職種によります。医療・介護・建設・運送・製造は年齢の壁が比較的低い一方、事務系は競争率が上がります。年齢よりも「その地域で不足している職種かどうか」で決まるのが地方の特徴です。
Q. 移住前に、現地の面接に行く必要がありますか?
オンライン面接に対応する企業も増えましたが、地方の中小企業では最終面接は対面を求められることが多いです。交通費と日程は、移住計画に組み込んでおいてください。
Q. 転職エージェントは移住前に登録していいですか?
問題ありません。むしろ早いほうがいい。「◯月に◯県へ移住予定」と伝えれば、それ前提で紹介してくれます。登録は無料で、応募するかどうかは求人を見てから決められます。
まとめ
- 地方の仕事は「紹介」が強い。でもコネがなくても、ハローワークと転職エージェントがその役割を代わってくれる
- 原則は「仕事が先、移住があと」。逆にするなら生活費を半年〜1年分持つ
- 入口は6つ。ルートごとに載っている求人が違うので、必ず複数を並行する
- 町村部ならハローワークと自治体窓口、地方都市ならエージェント。狙う地域の規模で道具を変える
- 移住支援金の対象者は、就職を決める前にマッチングサイト経由かどうかを確認する
- 求人票の「マイカー通勤可」は必須条件、給与レンジの上限は出ないと思っておく
- 医療・介護・建設・運送・製造・バックオフィスは需要がある。企画・専門職はリモートで持っていくほうが現実的
- 給料は額面では下がっても、生活コスト込みの”手取り実感”は意外と変わらない
「地方は仕事がない・稼げない」と決めつける前に、まずは求人をのぞいてみてください。思っているより、道はあります。
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