地域おこし協力隊はおすすめしない?北海道にUターンした元隊員の本音

地域おこし協力隊はおすすめしない?北海道にUターンした元隊員の本音

この記事を書いた人

元・地域おこし協力隊/総務歴20年。北海道へのUターン移住を経験。地方暮らしのリアルを、できるだけ正直に発信しています。

結論:私は「全員には」おすすめしません

地域おこし協力隊について調べていると、「やめとけ」「失敗した」という声と、「最高の経験だった」という声の両方が出てきて、混乱しませんか。

先に結論を言うと、私は協力隊を全員にはおすすめしません。ただしそれは「私自身がつらかったから」ではありません。むしろ私の任期は、振り返ってみて特別キツかったことはなかったくらいです。それでも手放しで勧められない理由が、制度そのものにあります。

この記事では、提灯記事でも「やめとけ煽り」でもない、経験者として本当に伝えたい現実を、できるだけフェアに書きます。

私の経歴(なぜ私が書くのか)

信頼してもらうために、まず自己紹介をさせてください。

  • もともとはホテルの総務で働いていました
  • その後、コンビニ向け弁当を製造する会社の総務に転職(業界は変わっても、総務という仕事は続けてきました)
  • そして十数年前、Uターンで北海道北部の小さな町の地域おこし協力隊に着任しました
  • 任期後には、NPO法人を立ち上げたこともあります(正直に言うと、今はもうほとんど関わっていません)

地域おこし協力隊の制度が始まったのは平成21年(2009年)。私が着任したのは、まだ制度が手探りだった頃でした。

正直に言うと、任期中は「特にキツくなかった」

ネットで見かける「人間関係に潰された」「やることがなかった」という体験談に比べると、私の任期中は大きなトラブルもなく、地域の学校で子どもたちのサポートをしたり、冬場は高齢者のお宅の雪かきを手伝ったりと、自分なりに地域と関わることができました。

だから「協力隊そのものが地獄だ」と言うつもりはまったくありません。人や地域に恵まれれば、いい時間を過ごせる制度です。

——ただ、ここからが本題です。

それでも手放しでおすすめできない、2つの理由

理由① 「残るかどうか」は、地域によって驚くほど差がある

私の周りでは、近隣の市町村も含めて、任期後にその地域へ定住して残った隊員はほぼいませんでした。

ただ、フェアに全国データも見ておきましょう。総務省の調査(令和7年4月発表)によると、直近5年間に任期を終えた8,034人のうち、約68.9%が同じ地域に定住し、活動した市町村にそのまま住み続けた人も 55.7% いました。数字だけ見れば「半分以上は残る」制度です。

でも、ここに2つの落とし穴があります。

  • 裏を返せば、約3割は地域を去っている——「地域おこし」のはずの隊員自身が、です。
  • そして定住率には大きな地域差がある。日本経済新聞も「定住率には地域差も」と報じ、自治体ごとの定住率ランキングが公開されるほどです。私のいた地域のように、定住率が極端に低いエリアは確かに存在します。

つまり「全国平均では7割が残る」は、あなたが行く地域にそのまま当てはまるとは限らない。 入る前に冷静に考えてほしいのは、「3年後、自分は本当にここに残るのか? そもそも、その地域は残れる環境なのか?」 という問いです。

出典:総務省「令和6年度 地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果」(令和7年4月)

理由② 任期後の「保証」が自治体によってバラバラ

もうひとつが、任期後にどうなるかが、受け入れる自治体によってまったく違うことです。

  • 任期後の起業・就職を手厚く支援してくれる自治体もあれば、
  • 「任期、お疲れさまでした」で終わり、その後はほぼ自力という自治体もある

同じ「地域おこし協力隊」という看板でも、当たり外れが大きい。 募集要項の良さそうな言葉だけで決めると、3年後に「こんなはずじゃなかった」となりかねません。

だから「入る前に、出口を決めておく」

私がこの記事で一番伝えたいのはこれです。協力隊は「入り方」より「出方」で人生が変わります。

私自身は、任期後にNPOを立ち上げました。でも正直に言うと、それも長くは続かず、今はほとんど関わっていません。任期後の道は「何かを立ち上げれば安泰」というほど甘くない——これも私の実感です。

だからこそ、多くの人にとって現実的なのは、任期後(あるいは協力隊に入らずとも)地方で安定して働ける仕事を、早めに確保しておくことだと思います。

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地域おこし協力隊が「向いている人・向いていない人」

正直な目線で分けると、こうなります。

向いている人

  • 任期後のビジョンを持っている人。「3年後、自分はここで何をしたいのか」が見えている人は、協力隊の期間を“その準備期間”として使えます。地域とのつながりも、任期後を見据えて作れる。
  • だから、入る前から身の振り方を具体的に描ける人ほど向いています。

向いていない人

  • 協力隊を「通過点」「一時的な腰掛け」だと思っている人。これが一番危ない。明確な目的がないままなんとなく3年を過ごし、気づけば任期が終わって手元に何も残らない——私の周りで定住しなかった人の多くは、ここに当てはまります。
  • 「とりあえず田舎暮らししてみたい」だけの人
  • 任期後の生活設計を、自治体任せにしてしまう人

協力隊にこだわらず、地方に関わる方法もある

「地方で暮らしたい・働きたい」が本当の目的なら、協力隊だけが手段ではありません。

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  • 総務・事務の経験があるなら、地方の役場・中小企業・福祉施設などでバックオフィス職を探す
  • 移住前に、その地域をふるさと納税で応援しながら知るのもひとつ

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まとめ

  • 私の任期自体は悪くなかった。協力隊は人と地域次第でいい経験になる
  • でも「定住率の低さ」と「任期後保証の自治体差」から、全員にはおすすめしない
  • 大事なのは入る前に“出口”を決めておくこと
  • 協力隊にこだわらず、地方で働く・暮らす道は他にもある

私自身は任期後に試行錯誤しました(NPOを立ち上げ、今は離れています)。遠回りもしました。だからこそ言えます——あなたは、自分の3年後を決めてから一歩を踏み出してください。

3年後に後悔しないために

「入る前に出口を決める」。その第一歩として、地方で働く選択肢を今のうちに知っておきましょう。

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